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水田真理 vs柏レイソル
かつて政府の方針で減反政策というものがありました。その結果、休耕田というものが発生し、その有効利用を模索する試みがなされました。中でも印象的だったのが水田に水を張って魚の養殖をするというもので、稲の芽が出かけた水田を池のようにしている風景でした。あの養殖事業は今でもやっているのでしょうか。元々は米国の占領政策として日本での麦の生産を制限したことが遠因でしょう。自給率を下げることによって経済的な依存率を上げ、ゆるやかに植民地化するという意図、また、米国小麦生産者協会という政財界に大きな発言力を持つ団体への配慮という側面もあったはずです。その米国小麦生産者協会も遺伝子組み換え作物の取引に関しては様々なジレンマを抱えているようです。
柏に行くたびに楽しみにしていた店がありました。それは「レストラン伍平」です。気に入った店を見つけるとその町が好きになるものです。初めて日立台に行った時、ツアーコンダクターの粋な配慮でツアーバスから離れて銭湯(ここもレイソルの大きな旗がありました)に寄り、数人の神戸からのツアー客とともに訪れたところです。どこかでお昼を食べたいなとうろうろしていて見つけたのですが、隅をラウンドにした大きなガラス窓と昭和30年代の匂いを感じさせる内装、それに気軽に食べられるお気軽外食的な料金設定に加え、ボリュームもあり味も良く、ここでつくってるよ、という手作り感のあるメニューが最高でした。

この時にランチメニューの魚料理を食べ、ムニエルにネギがかかっている様に心が奪われました。鶏料理にしてカシワを食べるなんてダジャレな発想もありましたが、息子さんが柏レイソルのサポーターだというウエイトレスのおねいさんに神戸の応援に来たと告げると「ダメですねぇ」とか「負けにきてくれた」なんて散々言われながらもランチはとてもおいしいものでした。ついでに実際に負けましたが。その直後には書いてませんが、実は長風呂のせいか非常にお腹がすいていたので、気になっていたメニューであるナポレオンライスも追加注文して食べました。カレーライスとスパゲティが同じプレートに乗った料理で、ランチに加えそのなつかしい味にお腹いっぱいになり、まるでどこからか爆風スランプの「KASHIWA マイ・ラブ」が流れてきそうなレイソルの旗だらけの道を歩いて日立台に向かいました。

その時から柏に行ったらとりあえず「レストラン伍平」と決めていたのですが、その思いは見事に打ち砕かれました。雨の中たどりついたそこにあったのは工事中のビルです。うそだろ、とか、どこかに移転したのか、とか思いを巡らせながら何度も工事現場の周りをうろついたのでかなり不審人物的な様子だったでしょうが、その時の落胆はどうしようもないものでした。まさにたどり着いたら土砂降りです。本当に涙がでそうになりました。いや泣いていたかもしれません。雨・アウエー・順位にも上位と中位など不利な状況に加えてこの出来事です。歩いて行く気力もないのでタクシーで日立台に向かいました。

前置きが長くなりましたが、天気予報によれば時間帯の降水量の予想は1ミリ程度ということだったのにそんな量ではありません。ホムスタの屋根付きのヌルいロケーションにスポイルされた神戸側にとってはまたまた不利な状況です。行ったことのある人ならおわかりの通り、日立台は臨場感のあるすばらしいスタジアムですが、目の前の光る水面が広がる田んぼのようなグランドを見つめて、これで雷でも鳴ったら延期なんじゃないか、そうしたらいつするんだ、なんてことまで考えてしまうような状態です。果たしてゲームが成立するのか。審判はテンパっているし、ボールは止まるし、どちらも意図したわけではないでしょうがラフプレーが目立ちます。柏のDFは嘉人を挑発し続けるし、サイドが逆だったからかもしれませんが、前半終了間際の得点にまるで勝ったようにアウエーゴール裏を煽った南の様子は落ち着けというサインだったのかもしれません。

どんなチームもスランプはあるものです。柏はまさにその真っ只中ですが、上位のクラブには克服するノウハウや力があります。前半のゲームの支配は予兆のような感じも受けましたが、そうでもなかったようです。そこに欠けていたのは統一性という意識なのかもしれません。逆に神戸でもそのあたりが今ひとつ浸透していない途中出場のガブリエルはどうもフランサが気になって仕方なかったようで、フランサが肩の高さまでボールを上げ長く蹴り出せば同じようにするなど、ひと目見て盗もうとするところが印象的でした。それでも前線に合わせたら入っちゃったゴールや予測できない(敵味方とも)動きなど大活躍です。交代の時は朴康造じゃないのか、なんて思ったのですが、この辺りは松田監督の言うところのギャンブルが当った結果となりました。加えて見た目のスマートさとは裏腹のゴリゴリの守備と空中で繋ぐ意識を見せたマーカスや祐介の投入は状況判断としては適切だったと思います。

予測できないといえばドゥンビアです。出て来たらフランス語で煽ってやろうなんて思っていたのにどういうわけかベンチにもいませんでした。伝え聞くコートジボアールの政情不安もあり気になっていたのですが、翌日の大宮とのプレマッチには出ていたようです。そして運命の後半です。前半と打って変わって攻め手を欠く後半の柏はイライラしている様子で、テンパった審判の勢いのカードにより退場者が出ます。これはまるで数年前、同じ日立台で柏と戦った天皇杯を逆の立場で見ているようでした。それに対して前述のガブリエルの得点、レアンドロが山形時代からの柏キラーぶりを発揮して2得点で試合を決定付けました。これは賭けに出た神戸と安全策をとった柏という構図なのかもしれません。だいたいドリブル禁止なんていう状態ですので、高さと距離に焦点を絞った監督の対策の徹底が功を奏したと言えるでしょう。

それにしても目の前で繰り広げられたのはいったい何だったのか。きっとどちらの応援をするでもない第三者が見たら不条理劇か何かの罰ゲームに思えるでしょう。あの状況での勝ち点3はとてもうれしいものだし、不利な状況からの逆転で気持ちが強くなった神戸の成長を感じたのですが、内容についてはどう表現していいのかわからないゲームでした。新幹線の中で「運も実力のうち」なんてことを考えながら帰路につきました。
| 蹴球・神戸 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) | Posted by ミカエル・Y・しんぢ









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